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国内D2Cビジネス紹介 第3弾

みなさんこんにちは!FCPの小笠原です。季節もどんどん夏に近づき、外にただ立っているだけでも汗がにじんでしまう、、、なんてこともありますね。そこで今回は日々の生活に必要不可欠のアンダーウェアについて見ていこうと思います。


日本国内で「アンダーウェアブランド」と聞くと真っ先に名前が挙がるブランドとしては国内トップシェアを誇る「ワコール」、ブラトップなどで有名な「ユニクロ」などが挙げられる。しかしD2C業界のアンダーウェアブランドといわれて名前がすぐに頭に思い浮かぶ人は少ないのではないだろうか。実際、国内でアンダーウェアを扱う、またはそれを専門としているベンチャー企業はまだ少ない。そこで今回は国内の数少ないアンダーウェア業界の企業の中から大学生が立ち上げに携わった新鋭ブランド2社、アンダーウェアのセレクトショップを運営する1社を取り上げてみてみよう。

1.リリ-トレーディング株式会社

             Tiger Lily Tokyo HPより引用

設立年月日

2017年1月

主要事業

1.知性と色気が感じられる大人の男女のためのアンダーウエアブランド “Baby Lily” の企画・ECサイトの運営

2.パリ、ニューヨークを中心に世界中からランジェリーを輸入。( 2018 SS collectionより、ロンドン発カラフルランジェリーブランド「 doralarsen (ドララーセン)」 日本正規代理店を務める)

主要取引先

(株)三越伊勢丹、(株)西武そごう

特色

世界中からセレクトされたスタイリッシュなランジェリーをユーザーの自宅に届けるECサイト「Tiger Lily Tokyo(タイガーリリートーキョー)」を運営している。商品の多くは欧州や米国から買い付けた約15ブランドのインポートランジェリー。顧客は20代後半の女性が中心。東京都内在住の顧客が90%以上を占めている。取り扱うブラジャーの単価は1万3000円ほどだが、1回の利用で10万円以上購入する顧客もいるという。「メーカーが作る画一的な商品だけを選ぶのではなく、さまざまな商品を提供したい。ハイブランドな下着は日本であまり流通しておらず、業界を変えていきたい」と社長の九冨氏は言う。2018年6月にはイタリア製の生地を利用し日本で縫製を行ったパジャマなどのブランド「Baby Lily(ベイビーリリー)」を立ち上げるなど、輸入商品だけでなく自社のオリジナルブランドの製品づくりにも力を入れている。

顧客の多くは20代後半の女性という点から、日常的に仕事をしているためまとまった休みなどがなければ海外に行くことのできない社会人の女性から高い支持を受けているということが考えられる。また、海外に行った際にアンダーウェアショップなどでゆっくり時間をかけて商品を見ることはなかなかないのかもしれない。そのような女性たちにとって、場所を選ばずにオンライン上で海外ブランドの様々なアンダーウェアを見ることが出来る体験というのは、価値があるに違いない。それこそがこのブランドの強みであり、顧客獲得の所以であるといえる。

2.株式会社ウツワ

               Feast HPより引用

設立年月日

2015年1月9日

主要事業

女性向けアパレル企画/小売り/メディア運営

特色

女子大生社長として有名なハヤカワ五味(本名: 稲勝栞 )が自身の体験(悩み)から着想を得て立ち上げたのが、胸の小さな女性向けランジェリーブランド 「Feast」である。”小さい胸”のことを「シンデレラバスト」というワードに置き換えることにより、従来先行していたネガティブなイメージを払拭した。胸が陥没してしまう病気の方、背骨が歪んでいて市販のブラジャーだと痛くなってしまう方、授乳中のためやわらかく着脱のしやすい可愛いブラジャーをつけたい方など、年齢・職業などのどんなバックグラウンドも問わず多くの女性たちに支持されている。その結果、シリーズ1作目の450セット全てを1日で完売させるという偉業も達成した。

女性の視点でなければ気づくことが難しい問題に目をつけ、だれにでも受け入れられるキャッチ―な言葉とともに商品のPRを行ったことがFeastが支持されている理由であると考える。社長自身が抱えていた悩みを打ち明けることにより、購入者たちの間に共感の気持ちが広まったことも購買を後押ししたといえる。「胸の小さな女性用ブラが世の中に浸透することが目標。そのためなら、feastというブランド自体は大手に買収されても構いません。」と述べる社長。大阪での展示会、名古屋でのPOPUP STOREの開催などオンラインサイトのみならずリアル店舗での取り組みも積極的に行っているため、ブランドの認知度と規模の拡大にも期待が持てる。

3.株式会社 ONE NOVA

               One Nova HPより引用

設立年月日

2017年12月

主要事業

インナーウェアブランド「One Nova(ワンノバ)」の開発・販売

特色

19歳の、二人の大学生が立ち上げたインナーウェアブランド「One Nova」。2018年7月18日にECサイトを公開をすると同時に、サイトでの一般販売を開始した。主にメンズのボクサーパンツをはじめとするインナーウェアを取扱うD2C(Direct to Consumer)アパレルブランドである。2018年4月末に行ったクラウドファンディングでは423名の支援者から支援金2,063,433円を集めた。 その後2018年8月にはエンジェルラウンドで2,000万円を調達した。このラウンドに参加したのは、青柳直樹氏(メルカリ執行役員、メルペイ代表取締役)、NOW、中川綾太郎氏(ペロリ共同創業者)、琴坂将広氏(慶應義塾大学准教授)の4名である。また調達金額には、日本政策金融公庫からの資本性ローンによる借入も含まれていたという。 商品の第一弾にはボクサーパンツが選ばれたが、将来的には女性用のインナーウェアのほか、靴下、トイレットペーパー、他の分野にもプロダクトのバリエーションを広げるアイデアがあるようだ。

ブランドの代名詞として掲げている「透明なパンツ」という文句。透明というのはパンツが購入者までに届くまでの道筋のこと。誰が、どこで、どんな風に作っているのかがはっきりと分かるのがこのブランドの特色であり、商品をただ受け取るだけでなく、「ものともの」「ものとひと」との関わりをその商品から感じてほしいというのが彼らの願いである。 また生地の縫製や染色などの加工はすべて国内のメーカーに任せているという点からは、日本国内におけるアパレル品の国産比率の減少に対する危惧とそれを解決するという狙いがあると考える。現在ではおよそ2%まで減少している国産のアパレル品の比率。 そのような状況の中で「国産」にこだわり一点一点の商品を丁寧に購入者に届けようとする姿勢も、支持を集めている要因だと考えられる。


まとめ

今回は大学生立ち上げのベンチャーとセレクトショップという形をとる珍しいベンチャー3社を紹介した。リサーチしていく中でアンダーウェアという一見地味とも思われるものだからこそ、こだわりや理念をしっかりと打ち立てることにより売り手と買い手の間に「共感」という強いつながりができ、結果として購買促進に繋がるのだということが分かった。そしてその「共感」はD2C市場の更なる拡大において、重要な鍵となるものだと考える。


 

 

 

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