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ブロックチェーンで日本のビジネスはどう変わる?

はじめまして!新たにFCPのアソシエイトとなりました、秋本と申します。インターンは初めてで、まだまだ未熟物ですが、読者のみなさまと一緒に成長できるような良い記事を書けるようにがんばります! さて、今回のテーマはブロックチェーンです。 日本語にすると、「分散型台帳」。仮想通貨を支える基幹技術です。近年の仮想通貨の普及から、ブロックチェーンが金融分野で有用であることが証明されました。今、ブロックチェーンは、さまざまな業界への応用が模索されています。2019年度の 国内ブロックチェーン活用サービス市場の規模は171億5000万円の見込みといわれています。 FCPの投資先ベンチャーも、この仕組みをビジネスに取り入れようとしています!そこで今回は、「ブロックチェーンでビジネスはどう変わる?」第一弾として、ブロックチェーンの仕組み、メリットおよびデメリットについてまとめました。


「ブロック」+「チェーン」

 ブロックチェーンは、「ブロック」+「チェーン」に分けられる。「ブロック」は、ある一定期間の取引の塊を、「チェーン」はそれらをつなぐ鎖を意味する。つまり、ブロックチェーンとは、過去の取引台帳を期間ごとにブロック分けして保存し、その一つ一つをチェーンのように紐づける仕組みである。また、取引はトランザクションと呼ばれている。

 

分散管理

 ブロックチェーンの最大の特徴は、分散管理で維持されていることである。ブロックチェーンでは、台帳全体がインターネット上で公開されている。これは言い換えれば、ブロックチェーンの利用者全員が分散して同じ台帳を持っており、その動向を追跡し、見張っているということになる。

 見張りの手段として、 PoW (proof of works)が採用されている。 PoWは、行われた取引を正規の取引として第三者のユーザーが承認する仕組みである。トランザクションの承認は、過去のブロックのデータと新たなトランザクションの整合性をコンピュータによる演算で確かめることで完了する。この演算をマイニング(採掘)、演算を行う人をマイナー(採掘者)と呼ぶ。演算結果の正確性は、多数決によって確かめられる。すなわち、過半数の人と同じ演算結果であれば、それは正しいと認識される。

 マイナーは、未承認のトランザクション(トランザクションプール)の中から、演算するトランザクションを選ぶことができる。仮想通貨の世界では、マイナーはマイニングの報酬として仮想通貨を受け取る。

 そして、マイニングによって承認された取引のみが、ブロックに書き込まれる。

ブロックチェーンのメリット

①トレーサビリティ

 ブロックチェーンは、台帳の分散管理による高い監視能力によって安全性の担保された仕組みである。

②ゼロダウンタイム

 分散管理のもう一つのメリットとして、ゼロダウンタイム(無停止)がある。中央集権的なサーバを用いたシステムは、中央のサーバがダウンすると、システム全体がダウンしてしまう。一方、分散管理型のシステムでは、一部のサーバがダウンしても、他の端末のサーバが生きていれば処理を継続することができる。

③低コスト

 トレーサビリティ・ゼロダウンタイムという特徴から、ブロックチェーンは、バックアップやセキュリティを低コストで済ませることができる。 また、取引がネットワーク上で完結するため、業種間を横断する直接的な取引が可能である。中間業者を挟まずに済むため、コストが削減できる。

ブロックチェーンのデメリット

 ブロックチェーンは新しいシステムであり、課題も多く残されている。ここでは、ブロックチェーンにおけるデメリットをまとめる。

①取引の時間効率が悪い

 ブロックチェーンでは、1つのブロックに記録できるデータ容量が限られている。このため、一定時間内に取引できる数が少なくなる。1秒間の取引回数は、VISAの1000分の1程度である。

②データの肥大化

 取引が増えるほど、ブロックチェーンのデータも増えていく。将来的に、個人の端末で分散管理できないほどのデータ量になることが懸念される。

③マイニングの弱み  悪意あるマイナーが全体の計算能力の過半数を支配すると、不正な取引が承認される。これは、51%問題と呼ばれている。この問題は、現実的には起こらないと考える人もいる。なぜなら、過半数を支配するには膨大な演算を処理するハイスペックなコンピュータが必要だが、これはとても高価である。また、報酬が仮想通貨である場合、不正によりその価値が下がることが予想される。つまり、不正を働くことで得られる利益が乏しいのである。

④法整備の不足

 ブロックチェーンは新しい仕組みであり、その発達に法整備が追い付いていないのが現状だ。しかしながら、2017年に日本で仮想通貨に関する法律が施行されたように、各国で法整備が整いつつある。

  ビジネスへの応用

Audiusコーポレートサイトより引用

①Audius

 Audiusはブロックチェーン技術を利用したオーディオプラットフォームである。 Audiusでは、ブロックチェーン技術を用いて、アーティストとファンを直接結び、オーナーと顧客のような直接的な販売経路を提供している。著作権など楽曲の情報はブロックチェーンのトレーサビリティにより改ざんされる可能性がなく、違法なアップロードを防ぎ、著作権を守ることができる。また、アーティストは収益をリアルタイムで受け取ることができる。

Thomas Crown Artコーポレーションサイトより引用

②Thomas Crown Art

 Thomas Thomas Crown Artは、芸術作品を価値の保存手段と位置付け、その情報をブロックチェーン技術で保存している。ブロックチェーン技術を用いれば、 オークション・販売価格・出荷・所有者などさまざまな情報を安全に記録できる。これらの情報が一般に公開されることによって、作品の追跡ができ、贋作の流通や盗難を防ぐことができる。

まとめ

 ブロックチェーン技術を用いると、仲介業者を介さないスマートな取引が可能になる。これにより、販売経路の革新や契約の自動化が盛んになるだろう。また、すべての取引が承認制となることから、著作権の保護や信頼性のある情報のやりとりがより安全に行われるようになるだろう。

 

 

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