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国内D2Cビジネス紹介 第2弾

皆さんこんにちは!FCPインターンの小笠原です。

国内のD2Cビジネス紹介ということで第1弾はファッション業界の注目ベンチャーを扱わせていただきましたが、今回は化粧品業界で注目のD2Cベンチャー企業を3社厳選して紹介させていただきます。


国内でD2C事業を展開する化粧品業界のベンチャー数はまだ多くはない。今回はそれらの中でも消耗型サブスクリプション(ドラッグストアで売っているような日用品が定期的に贈られてくるタイプ)の形をとり、ヘアケア/まつ毛ケア/メンズスキンケアなど特定の分野において日本初の業績を残し評価を受けている3社を紹介する。

1.株式会社Sparty(Sparty, Inc.)

               Sparty HPより引用

設立年月日

2017年7月19日

主要事業

パーソナライズ・ヘアケアブランド『MEDULLA(メデュラ)』

事業の特色と展望

「色気のある時代を創ろう」をミッションに美容・消費財領域にデジタルを掛け合わせ、誰でも自分に最適な商品を1本から創ることができるプラットフォームを開発している。”パーソナライズド・ビューティー / Beauty Tech” ”D2C(=Direct to Consumer)” “サブスクリプション”というキーワードを軸として、誰もがWEB上で簡単に自社ブランドの商品を制作・販売できる日本初のパーソナライズヘアケアの仕組みを構築・提供している。9つの質問に回答するだけでカルテを発行、約3万通りの組み合わせの中から自分の髪質や髪の毛の状態に合わせて、シャンプー&トリートメントを1本1本カスタマイズすることが可能。

2018年11月13日より開始した株式会社サティス製薬との資本業務提携には、元々製造を委託していた会社に問題が起こり製造を継続することが出来なくなったことを機に、製造を委託するだけでなく協働して開発や品質改善に取り組む共創関係を必要とするようになったからという背景がある。 現在、渋谷・原宿など都内14箇所に提携サロンがある。そこで認定スタイリストによる無料の髪診断を受けることができ、『MEDULLA』の香りを試しながらシャンプー/ブローを体験し、 個々人に合った処方やヘアケア法をアドバイスしてもらえる。 今後は提携サロンに頭皮環境計測システムを導入するなどサロンでの体験をより強化するとともに、現在43名のメデュラアンバサダーである美容師を2019年内に5,000名以上まで増やすという目標を掲げている。またサロンでの体験を商業施設でも展開していけるよう、販売チャネルの拡大にも力を入れているようである。

2.DINETTE株式会社

               DINETTE HPより引用

設立年月日

2017年3月30日

主要事業

・ビューティー特化動画メディア「DINETTE(ディネット)」の運営

・コスメプライベートブランド「PHOEBE BEAUTY UP(フィービービューティーアップ)」

事業の特色と展望

ビューティー特化動画メディア「DINETTE(ディネット)」の運営を行っている。2017年4月より開始したインスタグラムでは視聴者目線を追求し、ユーザーが知りたい最新のコスメ情報や日々の悩み、キレイになりたいという想いを叶える独自のノウハウとコンテンツを提供。HOW TOメイクや美容の悩み解決方法、新作コスメの紹介などの分かりやすい動画が評判となり、運用開始後ノンプロモーションで90,000人のコスメ好きな良質なフォロワーを獲得した。美容動画メディアの中では国内最大級規模の動画再生数を誇る実績を作っている。2019年2月に、ベンチャーキャピタルの株式会社アプリコット・ベンチャーズ、個人投資家の株式会社バルクオム代表取締役CEO野口卓也氏、元Candle代表取締役金靖征氏を引受先とした3,000万円の第3者割当増資を実施し、その資金を元にコスメのビューティーブランド「PHOEBE BEAUTY UP(フィービービューティーアップ)」を立ち上げてD2C事業へと参入した。第1弾として、自社開発のまつげ美容液を販売している。いつでも停止可能な定期配送の形を取っており、そこにはユーザーとの継続的な関係の中で商品の改良などを進められるという利点がある。芸能人モデルのヘアメイクを担当する実力派ヘアーメイクアップアーティストでありインフルエンサーの「小林加奈(こばやしかな)」がディレクターを務めることや「思わずSNSに投稿したくなるをテーマにしたというキュートなパッケージなどの、話題性が高くユーザーの心を掴みやすい商品づくりには、メディア運営を通して得た「ユーザーがいま何を求めているのか」という視点が活かされている。

3.株式会社バルクオム

              バルクオム HPより引用

設立年月日

2017年5月19日

主要事業

・メンズスキンケアブランド「BULK HOMME(バルクオム )」

・フィットネスジム「BRAVE GYM by BULK HOMME」

・カフェ「factory by BULK HOMME」

事業の特色と展望

オンライン定期購入型の男性化粧品ブランド「BULK HOMME」を展開している。主に20~30代の男性がターゲット。 InstagramやTwitterなどのソーシャルメディアを積極的に用いることを通じて、どのような人が自社商品を使っているのか、一人一人の所属を分析し、ブランドイメージの形成を図っている。 SNS広告経由での顧客獲得数は1年で約10倍に伸び、CPA(顧客獲得単価)は約3分の1に削減した。特にInstagram上のコミュニケーションを強化し、新規顧客獲得に成功している。

ブランド立ち上げ後、最初の2年間は販売店に向けた営業活動を行ったが知名度などの点から思うように売り上げはのびなかった。しかし2015年、現在の形であるサブスクリプションコマース(定期購入)に移行後は売り上げが伸び、初年度は前年比で20倍となった。 2018年には中国、韓国、台湾での発売を始めるなど海外事業にも積極的に力を入れている。同年12月にニッセイ・キャピタル株式会社を引受先とした第三者割当増資により、総額約5億円の資金調達を実施するなどして調達資金を活用したプロモーション等の強化にも力を入れている。現在もフィットネスジムやカフェの運営などスキンケア商品の販売だけに留まらない事業展開を行なっているが、2020年4月には開業を予定しているホテル「メズム東京、オートグラフ コレクション(mesm Tokyo, Autograph Collection)」(東京都港区海岸1丁目)とジェンダーレスコスメを共同開発し、全客室265部屋にホテルオリジナルパッケージのバスアメニティーを導入するという。以前は女性ブランドがメインであったアメニティー市場に本格的に参入することで、ブランドの認知拡大と共にメンズスキンケア市場の規模拡大をもくろんでいる。


まとめ

化粧品業界においてもD2Cの高まりは感じられる。化粧品はお客様の身体に直接触れるデリケートなものだからこそ、一人一人の希望や価値観にあった商品が必要とされる。そしてそれを叶えられる強みを持ったD2Cはこれからも業界の中で大きく躍進していくだろう。今後はより商品の生産機能の向上を図り、多くのフィードバックをもとに改善を繰り返し商品をアップデートしていくという力が各社に求められると考える。

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