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日本の金融系VC(ベンチャーキャピタル)紹介④ 証券会社系編

証券会社イラスト

こんにちは。FCPの片山です。今回は日本の金融系VC紹介第4弾として、証券会社系のVC(ベンチャーキャピタル)を紹介いたします。
現在、日系証券会社は野村、大和、SMBC日興、みずほ、三菱モルスタの5大証券があり、規模的にはその下に岡三、東海東京の準大手が存在している状況です。VC(ベンチャーキャピタル)に関しては銀行系証券会社はFG(フィナンシャルグループ・持ち株会社)傘下にある場合が多いです。そのためみずほキャピタルと三菱UFJキャピタルに関しては、日本の金融系VC(ベンチャーキャピタル)紹介① メガバンク系編にまとめてありますのでそちらもご覧ください!

大和企業投資

大和企業投資ロゴ
大和企業投資は、1982年に創業した大和証券グループ系のプライベート・エクイティファームです。大和証券グループを中心とした広範なビジネスネットワークや長年にわたる経験・ノウハウを活かしたベンチャー投資・バイアウト投資を展開し、これまでに数多くの企業の成長・株式上場に貢献してきました。
エヌ・アイ・エフ ベンチャーズからエヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ、大和SMBCキャピタルとなり、2010年の三井住友銀行グループと大和証券グループの合弁事業解消により、大和企業投資と三井住友銀行グループのSMBCベンチャーキャピタルに現在は分かれています。
 
企業概要
 
会社名 大和企業投資株式会社
英文表記 Daiwa Corporate Investment Co.,Ltd.
設立年月日 2013年5月8日
資本金 1億円
株主 大和証券グループ100%
 
企業理念・方針
 
ファンド事業を通じ、産業の創出・活性化に貢献し、活力ある経済社会の実現と持続的発展に貢献することを理念としています。
行動指針としては、起業家・ベンチャー企業のニーズと投資家のニーズをつなぐ役割を果たし、両者の利益と社会的評価の向上を目指します。
質の高いサービスを提供し、投資先企業やファンドの出資者の期待と信頼に応える専門性、創造性、人間性豊かな人材を育む魅力ある環境を醸成し、健全な事業活動により企業価値を高め、お客様の期待と信頼に応える企業を目指すとしています。
 
投資実績
 
2017年12月01日時点で投資累計社数2257社、投資累計金額4173億円
IPO644社にのぼります。
主な投資先としては
①株式会社グリーンペプタイド:上場日2015年10月22日、東証マザーズ
②メニコン:上場日2015年06月25日、東証1部
などがあります。
野村キャピタル・パートナーズ
野村キャピタル・パートナーズロゴ
2018年1月に設立された日本証券界のガリバー野村證券グループの会社です。
かつて野村證券は野村プリンシパル・ファイナンスを通じて自己資金投資を行っていましたが、リーマンショック後08年以降は新規投資を停止して事実上撤退していました。
ベンチャーキャピタルというよりは、もう少し規模の大きい会社に投資をするプライベートエクイティや再生ファンドといえるかもしれません。
ただ今後ベンチャー企業に対する投資の可能性もあるためここでご紹介させていただきます。
ちなみに野村系のVCとして最大手ジャフコを思い浮かべる方も多いかと思いますが、2017年に野村HDはジャフコの全保有株を売却し、44年の資本関係を終えています。
NCAP(野村キャピタル・パートナーズ)では、プリンシパル・ビジネスとして、事業再編・事業再生・事業承継・MBO等の案件において主にエクイティ等の提供を行っています。NCAPは、投資案件の開発・スキームの検討・投資の実行や、投資先の企業価値向上支援、出口戦略を一貫して行うことを予定しています。野村キャピタル・インベストメントとは異なるのでご注意を。
 
会社概要
 
代表取締役社長 前川 雅彦
資本金 5億円(野村ホールディングス株式会社100%)
 
企業理念・方針
 
徹底的な企業価値向上支援を通じた企業の成長ポテンシャルの最大化企業が本来有する成長ポテンシャルを最大化するために、経営陣による経営戦略の策定および実行を全面的に支援します。
日本経済および資本市場やプライベート・エクイティ市場の活性化と発展への貢献、日本の経済、資本市場そしてプライベート・エクイティ市場の成長と活性化に貢献すると共に、
投資に関連するあらゆるステークホルダーに対し、投資を通じた経済価値を享受いただけるよう取り組みます。
志高く有能なプロ人材が集結し協働する強力なチーム運営野村グループ内外のプロ人材が集結し、ワンチームとして協働することを通じて、投資先の経営陣や従業員にとって真に役に立ち信頼されるチーム運営を目指しますとしている。
 
投資実績
 
まだ設立して間もないため、旧 野村プリンシパル・ファイナンス(NPF)(2000年~2008年)での、主な投資実績をご紹介させていただきます。投資実績件数は18件、投資実績金額 約2,800億円
主な投資先
①すかいらーく(非公開化MBO)
②ツバキ・ナカシマ(戦略的非公開化MEBO)
③河村電器産業(株主構成の再構)
SBIインベストメント
SBIインベスメントロゴ
SBIインベストメントは、SBIグループのアセットマネジメント事業における中核的企業であり、「新産業クリエーター」として21世紀の中核的産業の創造および育成を担うリーディング・カンパニーになるという経営理念の下、ベンチャーキャピタルファンドの運用・管理を行っています。
SBIは、総合金融企業ではありますが、ルーツが証券事業にあると考え証券会社編で今回紹介させていただきます。
 
企業概要
 
会社名 SBIインベストメント株式会社 SBI Investment Co., Ltd.
(旧商号「ソフトバンク・インベストメント(株)」)
事業内容 ベンチャーキャピタルファンド等の運用・管理
主要株主 SBIグループ 100%
代表者 北尾 吉孝
設立年月日 平成8年6月7日
 
企業理念・方針
 
“新産業クリエーター”として21世紀の中核的産業の創造及び育成を担うリーディング・カンパニーになるという経営理念のもと、成長分野のベンチャー企業への投資、成長支援活動を行っています。
SBIグループの5つの経営理念
・正しい倫理的価値観を持つ
・金融イノベーターたれ
・新産業クリエーターを目指す
・セルフエボリューションの継続
・社会的責任を全うする
以下の4つが特徴です。
・IT、バイオ・ライフサイエンス、環境・エネルギー分野の成長分野への集中投資
・継続的な経営支援を行い、投資先の事業拡大をフルハンズオン型による、サポート
・豊富な投資実績
・10年以上投資業務をリードしてきた経験豊富なプロフェッショナル集団。
 
投資実績
 
SBIインベストメントでは、過去累計804社の企業へ投資実行を行い、うち145社(投資実行企業の18%)がIPOもしくはM&AによってEXITしています。
投資対象分野は、ICTおよびバイオ・ライフサイエンスなどの成長分野に重点を置いて投資を行っており、現在は、上記分野に加え、環境・エネルギー関連分野などに投資対象分野を拡大しています。
投資判断の基準は、経営者のビジョンや資質、マーケットの成長性や規模、新規性、競合他社との差別化、ビジネスモデルの実現可能性などになります。
また、投資決定プロセスにおいては、ファンドの投資家を中心とした各界の専門家で構成されるアドバイザリーボードを設置するなど、外部のリソースを活用することで多角的かつ総合的な投資判断を行っています。
投資実行後は、投資先企業の企業価値の向上を図るべく、各企業の事業ステージに応じた事業提携の提案や役員派遣等人材の紹介、内部管理体制の構築、資本政策の作成、海外進出支援等のフルハンズオン形式による積極的な支援を行っておいます。
主な投資先としては
2014年3月26日 CYBERDYNE(株)東証マザーズ
2013年3月27日 タマホーム(株)東証1部
2012年3月27日 (株)ベクトル東証マザーズ
などがあります。
マネックスベンチャーズ
マネックス・ベンチャーズロゴ
マネックスベンチャーズは、マネックスグループのVCです。
マネックスは1999年春にベンチャー企業として誕生しました。CEOの松本大氏は有名な方なのでご存じの方も多いかと思います。
東証一部上場のマネックスグループは、現在、日本、米国、中国(含む香港)、オーストラリアにリテール向けのオンライン証券ビジネスの本拠地を持ち、またグローバルFX事業、資産運用事業、投資教育そしてM&Aアドバイザリーサービスを含む幅広い事業・サービスを展開するグローバルなオンライン金融機関グループに成長しています。最近では、コインチェックが新たにグループ入りし、仮想通貨事業にも進出しています
 
会社概要
 
会社名 マネックスベンチャーズ株式会社
設立 2005年11月
資本金 1億円
株主 マネックスグループ株式会社
 
企業理念・方針
 
インターネットを活用した、先進的、革新的なサービスに対して、「起業家のポテンシャル」「事業の成長性」を重視して投資します。
 
・人々の生活をより良いものへと変革するインターネットを活用したサービスに投資します
・当社グループとのシナジーを前提とせず、幅広い分野に投資します
・未だ事業化されていない、アイディアに対しても、そのポテンシャルを判断し、投資します。
 
投資先
 
・ライフネット生命保険 2012年3月15日 マザーズ市場に上場
・ユーザベース 2016年10月21日 マザーズ市場に上場
・マネーフォワード 2017年9月29日 マザーズ市場に上場
未上場投資先としては、クラウドクレジットに注目をしています。以前働いている方とお話をする機会があったのですが、世界中の様々な社会課題の解決を促すための貸付型クラウドファンティングには、個人的に非常に可能性を感じています。

今回は日本の金融系VC紹介第4弾として、証券会社系のVC(ベンチャーキャピタル)を紹介いたしました。
これまでにメガバンク系、政府金融系、地方銀行系をご紹介いたしましたが今後も保険会社系など引き続き金融機関系VCをご紹介していきます。
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