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日本の金融系VC(ベンチャーキャピタル)紹介③ 地方銀行編

こんにちはFCPの片山です。今回は日本の金融系VC紹介第3弾ということで、地方銀行系VCをまとめたいと思います。
これまでご紹介したメガバンク、政府系金融機関以外に地方銀行も現在VCに力を入れ始めています。ここでご紹介させていただくベンチャーキャピタル以外にも多数のファンドがありますが、ここでは私が活発だと思うVCをご紹介します。
 
2016年に導入されたマイナス金利政策、地方で特に顕著な人口減少と高齢化などにより地方銀行の業績は軒並み厳しくなってきています。
生き残りを図るため、肥後銀行と鹿児島銀行が15年10月に共同持ち株会社を設立し経営統合したり、横浜銀行が16年4月に東日本銀行と経営統合し、共同持ち株会社を設立したりと、再編が相次いでいます。
従来の融資業務で利益をあげることが難しくなっている中、地方銀行が力を入れ始めているのが手数料で稼ぐ証券ビジネスやキャピタルゲインを狙うベンチャーキャピタル業務なのです。
 
FFGベンチャービジネスパートナーズ
FFGベンチャービジネスパートナーズは、FFG(株式会社ふくおかフィナンシャルグループ)の100%子会社のベンチャーキャピタルです。従来の地銀系ベンチャーキャピタルの枠に収まらない、スケールの大きなビジネスを目指し、積極的に活動を行っています。
 
親会社であるふくおかフィナンシャルグループ(FFG)は、福岡・熊本・長崎の3県を中心に九州全域にネットワークを有する広域展開型地域金融グループです。2019年5月に十八銀行との3年越しの経営統合を果たし、総資産23兆円超と名実ともに全国トップの地銀グループになりました。独占禁止法の観点より、経営統合が長引いているというニュースがここ数年しばしば報道されてましたのでご存じの方も多いと思います。
 
FFGベンチャービジネスパートナーズの概要
設立 2016年4月1日
資本金(準備金含) 25億円
株主 株式会社ふくおかフィナンシャルグループ100%
 
投資理念・投資方針
業種、エリアは問わずに創造的でイノベーティブな技術やビジネスモデルを有する企業に投資を行っています。ステージを限定せず、創業間もないシード・アーリステージからIPO目前のレーターステージの企業まで幅広く、積極的に投資を行っています。
また「九州・大学発ベンチャー振興会議」と連携して大学発ベンチャーの創出・育成を行っており、大学における知を活用して、新たな需要や市場といった社会的価値を創出することを目指しています。
経済界・大学と密に連携・協業することにより、資金供給のみならず大学発ベンチャーのあらゆるニーズに応えるビジネスサポートを実現しています。地域経済の活性化、地方創生の思いが強いVCであると言えます。
 
投資実績
主な投資先として衣服生産のオンラインサービスを提供しているシタテルや オーマイグラス などがあります。
 
 
横浜キャピタル
横浜キャピタル株式会社は横浜銀行グループのベンチャーキャピタルとして、中堅・中小企業への投資業務、再生支援業務を行っています。
親会社である横浜銀行は、コンコルディア・フィナンシャルグループとして上場をしています。コンコルディア・フィナンシャルグループは、横浜銀行と東日本銀行を傘下に持つ日本最大級の地方銀行です。横浜銀行はその地盤からも多数の優良顧客を抱えており、地銀の雄として長年強い存在感を示してきました。
ベンチャー企業支援に関しては、創業・ニュービジネス支援としてVCを介さない支援も数多く行っています。(下記図参照)
横浜キャピタルの会社概要
設立 昭和59年3月
資本金  3億円
株主 株式会社横浜銀行・浜銀ファイナンス株式会社・株式会社浜銀総合研究所
 
横浜キャピタルの事業内容
<投資業務>
株式の引受け・買取り
新株予約権付社債の引受け
株式上場を目標とした中期財務プランの作成支援
株式上場、株主構成の是正など資本政策事項に関する助言
<再生支援業務>
中小企業の再生支援
 
 
 
広島ベンチャーキャピタル
1995年にひろぎんキャピタルとして設立されたベンチャーキャピタルです。2007年に社名をひろぎんから広島に変更したように、ひろぎん色を強く打ち出すことなく幅広く業務を行っている印象です。
広島銀行は上位地銀で、県内シェアは預金4割弱を誇ります。広島以外にも岡山、愛媛、山口にも注力しています。野球球団の広島カープの成績によって金利が変わる預金でニュースになったことを覚えてらっしゃる方も多いかと思います。
 
広島ベンチャーキャピタルの概要
設立 1995年8月  「ひろぎんキャピタル株式会社」としてベンチャーキャピタル業務を開始
資本金 1億円
 
投資理念・方針
「価値を成長させる会社」として顧客の要望にきめ細かく対応しながら、地域経済へ貢献することを使命として、地域企業の秘めたる限りない可能性を実現すべく幅広い企業ステージへの投資業務を行っています。
長期的な視野で企業価値を創造、永続性のあるビジネスの構築を目指しています。広島ベンチャーキャピタルでは、最適な資本政策プランをご提案し、株式や社債の引き受けにより、無担保で低コストの資金を提供しています。
また株式や社債の引き受けだけでなく、経営陣の皆様と共同で事業展開を展望、経営陣のパートナーとしてサポートする事業も行っています。具体的には、企業経営に関するさまざまなアドバイス・提案を行うとともに、上場準備に必要な専門家の紹介などです。
 
投資実績
ファンド総額累計 333億円
ファンド組成本数 23本
投資先社数 51社 (内中国四国地方…28社)
IPO社数 28社
 
現在まで25社を超える企業が上場をしています。代表的な投資先としては
フェニックスバイオやキャピタル・アセット・プランニングなどがあります。まだ未上場ですがFCPの投資先でもある株式会社ウーオにも投資を行っています。
 
 
ちばぎんキャピタル
ちばぎんキャピタルは、千葉銀行及びそのグループ会社が出資先となるベンチャーキャピタルです。投資事業組合の運営業務とM&Aのアドバイザリー業務を主に行っています。
千葉銀行は、その名の通り千葉県に本店を置く、地方銀行です。千葉県内においてトップシェア有し、単独の地方銀行としては総資産で第2位の規模を誇ります。
 
ちばぎんキャピタルの概要
 
設立 1984年5月29日(昭和59年5月29日)
資本金 1億円
株主 株式会社千葉銀行
   ちばぎん保証株式会社
   ちばぎんコンピューターサービス株式会社
   ちばぎんジェーシービーカード株式会社
 
投資理念・方針
ベンチャー企業、中小企業、中堅企業の成長・発展・再生のサポートを行っており、株式公開へのエクイティファイナンス、事業再生に向けたデットファイナンスを通じて地域経済の活性化に貢献することを目的としています。


今回は地方銀行系ベンチャーキャピタルをまとめさせていただきました。
地銀の理念から他のVC(ベンチャーキャピタル)よりも「地域」を意識したファンドが多い印象を受けます。また今回ご紹介した以外にも、現時点で多くの地銀発ベンチャーが存在します。地銀が独立系VCに出資することで間接的にベンチャー企業に投資をするという例も増えてきています。
低金利が続くようならば新たな利益源として、地銀発のVCが増えていくことが考えられます。
今後は証券会社系VCなど金融会社系VCをさらにご紹介していきます!
 
 
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