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VCが投資するD2Cベンチャー紹介 第3.5弾

皆さんこんにちは、FCPの宮澤です。最近は5月と思えないような暑さ続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。前回、本シリーズ第3弾目として米国の美容系D2Cを紹介させていただきましたが、美容系D2Cビジネスは数が多く、どれも特徴的なので紹介仕切れませんでした。なので、今回は前回の続きのような形で紹介できなかった美容系D2Cを紹介していきます!

公式コーポレートサイトより引用

 
基本情報
2011年にMichael Dubin氏によって設立されたユニコーン企業
本拠地:ロサンゼルス
調達金額:$165 Million
 
事業内容
  • 男性向け美容ヒゲ剃りキットのサブスク販売
 
特徴
①美容系D2Cには希な男性特化型
美容D2Cビジネスと聞くと、前回紹介した化粧品などの女性向け商品を扱う企業を想像することが多いが、Dollar Shave Clubは男性に特化した商品を開発・販売している。最近では男性用化粧品が各コスメティックブランドから販売されるなど、美容=女性という固定概念が消えつつある。そんな中、Dollar Shave Clubは男性向け美容D2Cを最初に成功させたパイオニアと言っても過言ではない。
 
②多種多様な商品展開
名前からわかるようにDollar Shave Clubの主力商品は彼らのヒゲ剃りキットだ。しかし、男性の美容はヒゲを剃ることだけではない。Dollar Shave Clubは、シャンプーなどのシャワー道具やワックスなどの整髪剤など男性の美容に関わるほとんどの商品を開発・販売している。これらの商品は基本のヒゲ剃りキットに数ドル上乗せするだけ同梱できるのでユーザーにとても使い勝手が良い。

公式コーポレートサイトより引用

③低価格な値段設定
男性向け美容商品の多くの問題点はその価格設定だ。まだマーケットでメンズ美容を扱っている企業が女性に比べて少なく、多くは高級ブランドなどが手がけている。例えば、有名スキンケアブランドのCliniqueがメンズ用の美容液を販売しているが値段がどれも5000円以上である。(筆者の宮澤も購入を検討したが高すぎて断念した)しかし、Dollar Shave Clubの美容商品は違う。基本のシェイビングキットはシェイバーもついて$28ドル(2ヶ月分)である上、上記した様々な美容商品は追加で同梱できるが全て$10以下である。しかも、もし商品が気に入れなかった100%返金してくれるため、手軽にいろいろな商品が試せるのが魅力だ。

公式コーポレートサイトより引用

成功要因の考察
Dollar Shave Clubの成功要因は、メンズ美容でD2Cビジネスを行うパイオニアであった点だ。多くの美容系D2Cの特徴は安くて、いい商品を定期的にユーザーに提供できるところで、その利便性は男女関係なく高い。しかし、多くのビジネスは美容=女性向けという固定概念から男性にアプローチをかける企業が少なかった。そこで、Dollar Shave Clubはほとんどの男性が必要とする「ヒゲ剃り」から切り込み、ユーザーの様々なニーズに答える様な商品展開に成功した。そして、ほぼ事実上の男性向け美容D2C市場の独占に成功したのである。
 

公式コーポレートサイトより引用

 
基本情報
2013年にTristan Walker氏によって設立された企業。
本拠地:パロアルト
調達金額:$38 Million
 
事業内容
  • 非欧米系の人ための化粧品の開発・発売
 
特徴
①二つのブランドを保有
Walker and Companyは男性用、女性用を分け、二つのブランドで商品開発・販売を行っている。男性用ブランドはBEVEL,女性用ブランドはFORMだ。BEVELは主に整髪剤やスキンケアを販売し、FORMは化粧品を扱っている。しかし、各ブランド共に非欧米系の人の肌に合った美容商品を研究しているので、研究プロセスなどは共同なようだ。
 
②非欧米系の人の肌にあった商品開発
美容商品、特に化粧品の広告などのモデルの多くは欧米系のモデルであるという現状がある。これは今まで当たり前の様に行われていたが最近問題になりつつある。しかし現状として、明るい色の肌向けの化粧品の方が圧倒的に多いのは事実だ。そんな中、Walker and Companyは有色人種の為の美容商品を開発することで、今まで使える化粧品のオプションが少なかった人たちの為に、本当に肌に合う美容商品を開発している。

公式コーポレートサイトより引用

③Amazonや大手スーパーマーケットTargetなどでも購入可能
多くのD2Cビジネスは自社のウェビサイト上で商品を販売しているが、Walker and Companyの商品は、世代を超えて使って欲しいという思いからAmazonやTargetなどでの販売も行っている。これはD2Cの特徴である仲介料の節約に反しているように思うかもしれない。しかしWalker and Companyは、インターネットとの距離が若者と比べて遠い中年層や高齢者の方でも使ってもらえるように自社ウェブサイト以外のプラットフォームでの販売を行っている。(あくまでも自社サイトがメイン)

公式コーポレートサイトより引用

 
成功要因の考察
Walker and Companyの成功要因は、まさにそのターゲット設定であろう。美容関連商品の今までのターゲット分け(年齢、性別、テーマなど)ではなく、肌の色という今までになかった切り口で商品開発をした。さらに、肌の色や性質ごとに徹底した研究と商品開発で、ユーザー満足度の高い商品開発がすることができた。このような、潜在的で大きなニーズを見つけ、そのニーズにあった商品を隈なくで開発できたことだ成功の要因だ。
以上が前回紹介仕切れなかった美容系D2Cです。どちらのビジネスもいままで、着目されなかったニーズに対して全力で商品開発をしていることがユーザーに響いているのだと思います。今後もこのようなニーズに対してどんどん新しいサービスや商品が生まれることに期待したいですね。
 
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